身体を診ると言うこと
おはようございます。
われわれ人様の身体をどうこうして生業とするわけですが、生業≒商法で言うところの業務で有るいじょうは提供するサービスの質とそこに付随する責任と言うものがありますよね。
顔を合わせいきなりベッドに寝かせておもむろに揉み始めるマッサージもどきの施術者が意外に多いのも事実です。
これは危険なんですよ。
例えば腰痛を訴える患者さんが来院された場合はその痛みがどういうタイプの痛みか、どういうプロセスで発現しているか見極める必要があります。
なぜなら腰の痛みと言ってもそれが脊柱由来のものか、血管閉塞性のものか、他部位または内蔵から起因するものか、急性か慢性かで全て対処法が違うからです。
ドクターと違い光学診断や薬物などによる検査が医師法で禁じられているわれわれですが、伝統的な診断法のみでも丁寧に行う事でかなり詳しい診断が可能なんです。
伝統医学の診断法には4つのやり方があり四診といいます。
望診
まずは患者を見る。
顔色、肌の艶、目線、身体の動きなどを見るわけです。
私の場合は、『おはようございます。』と店の入り口を入ってきて腰掛けるまでに歩き方、体重支持の整合性などを見せていただいてます。
聞診
患者さんの声を聞く事で声質、息使いなどを聞き分けます。
これも最初の『おはようございます。』からすでに見させていただいてますよ。
問診
質疑応答ですがジェスチャーを含めて患者さんの微妙な表現の違いから色々わかる事もあります。
切診
身体に触れて確かめます。
漢方では腹診と脈診、舌診あたりが重要視されます。
これで身体の状態、証を決定します。
陰証・陽証=患者の体調や生命力の状態。からだ全体の反応の性質を示す。
虚証・実証=慢性病患者などの基礎的な体力や性質を示す。
寒証・熱証=からだの冷感・悪寒・熱感などを示す。
表証・裏証=病気の進行状態などを示す。
わたしはこれに加え徒手による、または打検器、聴診器などを併用して整形外科的、運動解剖学的にテストを行います。
まあ長々と書きましたが実際には重複した過程で行えるものが多いのでさほど時間はかかりません。
大事な事は患者さんの些細な一挙手一投足も全て情報にする事です。
わたしはこれを 身体の声をきく と表現します。
昔の町医者は皆さんこれをやってたわけですね。
三国志には曹操孟徳の顔色を見た医官の華蛇が脳内の虫を開頭手術で取り除いた話がありましたね。
昔のNHKの人形劇でもこの話ありました。
要するに顔つきから脳梗塞を発見しましたって話ですよ。